ラティスHDR-60ビデオカメラ開発キットは、市販されるカメラハウジングにフィットするよう設計された、すぐに量産化可能なHDR(High Dynamic Range)カメラです。このハードウェアは、60fpsフル1080p解像度を、外付けフレームバッファをまったく必要とすることなく、FPGAからストリーミングモードで出力するためのものです。
ラティスのパートナのHelion社による IONOS ISP(Image Signal Processing、画像信号処理)IPが内蔵され、センサから表示可能なイメージへのエンドツーエンドのISPが実現されています。内蔵されているのはセンサ・インターフェイス、不良ピクセル補正と2Dノイズリダクション、高品質5 x 5デベイヤー処理、色補正マトリクス、高速自動露出、自動ホワイトバランス、HDR、ガンマ補正、及びオーバーレイ(文字とグラフィックスの両方)です。HDMI PHY IPはHDMI / DVIモニタへの出力が可能です。
このキットは、業界最速の自動露出、超高品質の自動ホワイトバランス、120dBを超えるHDRを提供します。オンボードのBroadcom Broadreach™ PHYによって、最長700mの同軸ケーブルによるイーサネットに対応しています。また、このハードウェアは最大16メガピクセルのセンサに対応可能で、最大2つのセンサを同時に接続でき、標準の安価なUSBケーブル経由で簡単にプログラムできます。
このキットは、細長いHDR-60ベースボードと、これに取り付ける正方形のNanovestaセンサボードという、2枚のボードで構成されます。ベースボードにはLatticeECP3-70が搭載され、センサボードにはAptina社の720p HDR(High Dynamic Range)センサが装備されています。ただし、このハードウェアは60fpsのフル1080p解像度に対応するよう設計されています。
キットにはプラグアンドプレイ・デモが内蔵され、HDMIまたはDVIモニタに接続するだけで60fps動作します。このキットは、Lattice FPGAの高性能・低消費電力のデジタル信号処理能力、及び無償で入手可能なデモ・ビットストリームとボード配置図、およびGerberファイルを活用することにより、開発を計画しているお客様が直ちに作業を開始できるように設計されています。
キットにはLatticeECP3-70が搭載され、カメラメーカが独自のIPを統合できるよう十分なスペースが確保されていますが、IONOS HDR ISPパイプライン全てがLatticeECP3-35デバイスに実装可能です。しかも、ISPパイプラインは外付けフレームバッファが不要で、LatticeECP3 FPGAは低消費電力であることから、HDR-60ベースのカメラは極めて低コストで製造及び動作できます。