規制改革により60GHzのインストラクチャが強化
Posted 09/26/2017 by Neil Bullock
60 GHz帯は都市部におけるインフラストラクチャアプリケーションにとって理想的で、ファイバーシステムの代わりとして非常に費用効果が高いです。では、なぜ私たちは全ての街角で60 GHzのノードを見かけないのでしょうか?60GHz帯の使用を既定した規則について、重要な変更があり、近い将来でさらに拡大する見込みです。
大規模な都市展開に向けたフェーズドアレイアンテナと電子ビームステアリング技術の利点によって、ラティスやその他企業から理解され、実装が可能となり、大規模な試用が開始されています。カリフォルニア州サンノゼで行われた、10平方キロ地域で60 GHzのメッシュネットワークの高速Wi-Fiが提供されたFacebookによるTerragraphテストが良い例です。
この技術の利点は汎用性があり、ブロードバンド接続の赤字が大きい地域ではさらに価値があることです。しかし、ほとんどの地域で60 GHz帯はライセンス不要ですが、全く規則がないわけではありません。それらの規則は主に、そのときに利用可能な装置の機能に考慮して書かれています。例として、49カ国の加盟国にて適用される欧州郵便電気通信主管庁会議(CEPT)の勧告Rec. 05(02)とRec. 09(01)は屋外の固定サービスについて、従来の機器では問題がない一方で、ビームステアリング技術を使用する次世代機器を禁止する最低限のアンテナ利得要件があります。対照的に、米国の連邦通信委員会は既にビームステアリング技術に寛容なルールを採用しています。
フェーズドアレイアンテナや電子ビームステアリング技術の長所について事業者や機器メーカーの認識が高まり、現在、規制委員会間の議論につながっています。この活動の一環として、ラティスは最近、Huawei社が率いる技術分析に参加しました。この分析は、CEPT(ECC SE 19)の固定サービスワーキンググループへのマルチ企業による貢献の基盤となり、規制変更を推奨しています。ラティスは、現在のワイヤレスインフラストラクチャソリューションのシステムパラメータを提供し、Huawei社が都市展開のシミュレーションで妨害の伝播特性と確率をモデル化できるようにしました。ラティスのSiBEAM技術を用いたワイヤレスインフラストラクチャ製品について詳しくはこちらをご覧ください。
図1: CEPTへの技術分析貢献からのシミュレーションシナリオ
図 2: ラティスのワイヤレスインフラクチャソリューション
この調査では、ビームステアリングアンテナを備えた各ネットワーク要素に複数の方向で到達できるメッシュネットワークで、最大EIRP 40 dBmのPoint-to-MultiPoint(PtMP)およびMultiPoint-to-MultiPoint(MPtMP) 製品はリンク自動検出機能を備えた他の機器よりも、非常に良好な性能と干渉の可能性が低く、密集した都市シナリオに適していることがわかりました。技術貢献は、現在、SE 19による調査で形成しており、これは屋外でのビームステアリング技術の使用を可能にします。
規制当局がスペクトル資産を最も効果的に使用することを決定するにつれ、欧州の見直しは世界の他の地域にも反映されています。2017年3月13日、アルゼンチンのENACOMは、固定およびモバイルサービスに57-64 GHz帯を使用し、“共有モードでのワイヤレスブロードバンドローカルアクセスシステム”の使用を承認しました。2017年5月9日、メキシコ連邦電気通信学会(IFT)は、57-64GHz周波数帯域を屋内および屋外用のライセンス不要のスペクトルとして分類しました。インドでは、TRAIは、“Digital India”および“Make In India”イニシアチブとインド政府による活動を支援するために、携帯電話およびインフラストラクチャアプリケーションの60GHz帯域のライセンスをなくすように通信部門に勧告しています。
フェーズドアレイアンテナと電子ビームステアリング技術は、高価で時間のかかるファイバーの設置を必要とせずに、固定ワイヤレスアクセスとモバイルネットワークとメトロWi-Fiサービスに革命を起こします。ラティスのワイヤレスインフラ製品は、事業者とサービスプロバイダに、そのようなネットワークを展開するための実用的な方法を提供します。私たちは、機器メーカーや通信事業者と協力して、これらの技術の可能性を十分に発揮させ、世界のブロードバンド赤字を削減し、あらゆる場所でギガビットワイヤレスが必要な環境で規制改革を推進していきます。時間のかかる作業ですが、空で変化が起こってると実感しています。