CrossLinkでマルチカメラの設計を簡素化
Posted 03/14/2017 by Tom Watzka
CSI-2カメラは必需品です。新規制によって、新しい車へのバックアップカメラ設置が必要になり、カメラを基にした先進運転支援システム(ADAS)機能の改良が進められています。グローバルな車両カメラ市場は2015年から2020年の間でCAGRが11%上昇すると予想されています。また、カメラ市場は市場調査会社であるRadiant Insightsが2016年の2億ドルが2022年までに21億ドル以上に増加すると予想しているドローンの急増によっても推進されています。同時に、バーチャルリアリティ(VR)システム、360度カメラ、スマートフォンの開発者はさらに高性能なカメラをシステムに追加しています。
新しいビデオブリッジ技術の開発は大容量設計向けの新センサ普及の鍵です。1年以内に発売されたラティスのCrossLinkデバイスは最適化された電力と効率性に加え、設計の柔軟性と迅速な市場投入が可能なFPGAの利点をもたらします。CrossLinkは様々な急成長する市場領域向けのもっとも柔軟で高帯域幅、低消費電力な最小のソリューションです。
CrossLink FPGAデバイスの実装と普及は、モバイル画像センサやディスプレイにおける幅広い種類の汎用プロトコルやインタフェース向けのIPサポートにも起因します。設計者は標準化されたブロックとして構成可能なソフトコアIPを使用でき、設計のよりユニークな面に時間を費やすことができます。
新しい使用例
2017年2月、ラティスは追加のモジュールを備えたCrossLink IPコアのポートフォリオを拡大し、新しいソリューションの開発への扉を開きました。優れた例の1つは新しい4:1 CSI-2からCSI-2 mux/merge IPコアです。拡張現実とVRシステムの設計者、もしくは奥行き知覚、ジェスチャ認識アプリケーションは通常、複数の画像センサインターフェースからアプリケーションプロセッサ(AP)に接続する必要があります。画像センサと画像データ間の処理レイテンシが長すぎる場合があります。また他のケースでは、APがアプリケーションが必要とする入力センサの数に対応する十分なCSI-2インターフェースを搭載してない場合もあります。
このIPによって、設計者は4つの画像センサを右/左形式で2つにマージして、CrossLinkデバイスに1つのGPIOピンを使用して2つのマージされたイメージセンサを切り替えることができます。このデータ集約は画像センサ間の処理レイテンシを最小化し、必要なら、AP上のCSI-2インターフェースのニーズを減らします。データ集約は画像センサフレームを並列構成でつなぎ合わせるか、仮想チャネルに基づいてデータパケットを調停することによって実行されます。
図 1: ラティスの 4:1 CSI-2 から CSI-2 mux/merge IP は4つの画像センサ間を多重化し、選択された2つのビデオストリームを1つのMIPI CSI-2ビデオ画像出力にマージします。
新しいCrossLinkブリッジは完全にプログラム可能で、どんな入力エンコード、様々なデータレーン数(1、2、4)や最大6GbpsのMIPI CSI-2入出力に対応します。出力データレートは2倍の入力データレートです。このビデオインターフェースブリッジデバイスはLattice Diamond®のフリーIPとして利用可能です。
このIPを使った設計者はXYプレーンだけでなく、3Dプレーンでもステレオビジョンのソリューションを実装できます。また、設計者がステレオの深さを可能にするためにどのチャンネルをプロセッサに送るかを変更できるようにすることで、新しいIPによって画像の距離と深度を変えることができます。
拡張現実システム、ドローン、車載機器サブシステムのどの設計者であっても、360度ビュー、奥行き知覚およびジェスチャ認識に対応する、より複雑なビデオシステムが求められています。ラティスのCrossLinkソリューションのような新しいビデオブリッジ技術は全体のコスト、消費電力、フットプリントを最小限に抑えながら、これらのマルチカメラソリューションに必要な性能と設計の柔軟性を提供します。